Robin Murray

King’s College London名誉教授。統合失調症研究の国際的第一人者。2010年には英国王立協会フェローに選出、2011年にはエリザベス女王よりナイトの称号を授与されている。統合失調症の神経発達障害仮説などを提唱するとともに、統合失調症の予防・治療・回復における社会環境の重要性を主張している。

Vikram Harshad Patel

Harvard Medical SchoolのDepartment of Global Health and Social Medicineにおいて学科長、およびPaul Farmer Professor をつとめる。メンタルヘルスの社会的決定要因に対する公衆衛生的なアプローチ、特に小児期や思春期の社会環境に働きかける予防戦略に関する研究成果等をLancetなどに多数発表。2019年に世界3大医学賞であるガードナー賞を受賞。TIMES誌が選出する世界で最も影響力のある100人に選出。

Paul French

英国NIHR研究推進ネットワークの精神保健部門リーダー。過去25年間にわたり、統合失調症などの精神病性障害を経験している若者の早期支援に従事。前職はマンチェスター大学教授。同大学の精神病研究ユニットにおいて、当事者との共同創造によって新たな心理社会的療法の開発・効果検証に従事し、その成果をLancetなどに発表。英国の臨床ガイドライン(NICE)の改訂などに影響を与えた。近年は、精神疾患を経験している人々の身体的健康を支えるための実践や研究を精力的に進めている。

Randolph Nesse

ミシガン大学名誉教授。進化医学、進化精神医学の国際的第一人者であり、長年、感情や不安の進化的起源やその正常機能としての理解などについて研究。2023年にWorld Psychiatry誌に進化精神医学の総説を発表。

Rory Byrne

マンチェスター大学のPsychosis Research Unit(PRU)に所属するシニアLived Experience Researcher(当事者経験を持つ研究者)。また、マンチェスター大学心理学科の名誉ティーチングフェロー(Honorary Teaching Fellow)も務める。大規模な臨床試験において、当事者の意向や希望を研究デザインに反映させることを目指した質的研究などを推進してきた。当事者研究グループをリードし、当事者視点を研究や実践に取り入れる活動を行っている。

Philippa A. Garety

King’s College London教授。長年、精神病性障害を経験している人々に対する認知行動療法の開発・効果検証等の研究に従事。精神病体験に対する革新的な支援法であるAVATAR療法(Nature Medicine, 2024)を開発し、妄想や幻覚の心理的支援に多大な貢献をしてきた。英国心理学会シャピロ賞および生涯功績賞を受賞。

Marta di Forti

King’s College London教授。英国医学研究機構(MRC)の年間最優秀研究者賞を受賞。大麻使用が精神病の発症や治療経過に与える影響とそのメカニズムに関する研究を進めている。統合失調症の公衆衛生的な予防戦略として大麻使用の法的規制の重要性を訴えている。

長谷川 眞理子

日本芸術文化振興会理事長。総合研究大学院大学名誉教授。専門は行動生態学、自然人類学。特に動物の性淘汰を研究、人間の進化と適応についても多角的に探究する。理学博士(東京大学、1986年)。

川村 敏明

札幌医科大学卒業後、1981年に浦河赤十字病院に勤務。その後、札幌の旭山病院でアルコール専門病棟に従事したのち、1988より再び浦河赤十字病院に勤務。精神障害者の活動拠点である浦河べてるの家の活動にも深い関わりを持つ。2014年、同病院精神科病棟休止を機に浦河ひがし町診療所を開設。子供から高齢者まで誰もが安心でき、大切にされる場づくりのための実践を続けている。